Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

正)ビール、7$です 誤)ビールに氷は要りますか

海外に行って一番困るものと言えば、言葉と食事ではないだろうか。俺の場合はこれに「お手洗い」が追加されるんだけれども。
なんで唐突にそんな話を始めたかというと、Twitterで俺のフォロワーさん(って表現で合ってるよな、確か)が、海外に仕事で行って、外国語を習得したいなあという意味の事を呟いていたからだ。

ちょっと話がそれる。俺はTwitterのアカウントを持っていて、何人かフォローしているけれども、呟きは一切していない。何年か前は呟いていたのだが、ネットストーカーにストーキングされて、ちょっと困った状態になったので、一度アカウントを削除したのだ。で、暫く前にアカウントが必要になったので、再取得した。が、そのストーキングの件があったので、呟く事は一切していない。横道話終了。

話を元に戻す。海外ではやはりある程度その国の言葉を話せたほうが便利。それは当然の話。去年、メキシコに行った時もスペイン語が一切判らず、それはそれで結構苦労した。
レストランに入ってメニューが読めない、なんていうのは苦労のうちには入らない。適当に指さしオーダーすればいいんだから。何が来るか判らないって? それもまた、海外旅行の楽しみの一つだろう。
問題は、どうしてもコミュニケーションを取らなくちゃいけない場合に、それが取れない時だ。俺達の例だと、路線バスを乗り間違えて、全く見知らぬ街で彷徨った時がそのケースだった。目的地に行きたいので、スペイン語入門片手に街の人に四苦八苦しながら、ブロークンスパニッシュを駆使した。相手はどうやらこっちが何を尋ねているかは理解してくれたようだった。だが、今度はこっちが相手の言っている事がさっぱり判らない。あの時は本当に参った。
(その辺りの話はメキシコ旅行というカテゴリに纏めてあるので、お暇のある方は一読して頂ければ幸いです)

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「言葉なんて通じなくても、なんとかなるよ」とは相方の口癖だ。俺よりも海外旅行経験のある相方は「過去、言葉通じなくても、特に問題なかったもん」とよく言っていた。ちなみに相方のブロークンイングリッシュは本当にブロークンしている。尤も、俺と一緒の時に相方が英語話すのは、殆ど聴いた事ないけど。ただ、明らかに中学生レベルの英語以下であるのは間違いない。

メキシコから帰る便がヒューストン経由だった。CAは当然、英語を話していた。飲み物を訊かれたので「ビール。銘柄はなんでもいい」とCAに頼むと、CAはハイネケンを持ってきた。俺にハイネケンを差し出しながら「ビールは7$です」と。俺は7$という言葉に、吃驚して一瞬沈黙した。国際線なのに、ビールに金取るのかよ。おまけに7$か。高いなー。俺の一瞬の沈黙を、相方は俺が聞き取れなかったと思ったのか、堂々と俺に言った。
「ねえねえ。ビールに氷要るかって訊いてるよ」
訊いてねえわ、そんなこと! 俺は今度は相方に吃驚した。CAの言葉を通訳してくれたのは有難いが、いや、有難くない、間違ってるし。豪快な間違い方だなーと感心した。
相方は、要するにCAさんが何と言ったかなんて一切判っていない(多分聞き取ろうともしていなかったのだろう)。ただ、状況からしてビール持ってきて、乗客に何か話しかけたとすれば、それは「氷要るか?」以外にない、と推察したのだ。ある意味、素晴らしい想像力だ。またそういった過去の経験があるから導き出せた誤訳だ。
俺は相方に「氷じゃないよ。ビール有料だって、言ってんだよ」と伝えた。

まあ、上記のエピソードなんて実害もないし、ただの笑い話に過ぎない。ただ、相方の言う「言葉なんて通じなくても、なんとかなるよ」のマインドはよく判った。確かに、大抵の場合は言葉なんて通じなくてもなんとかなる。実際何とかなってきたし。

でも、全く通じないよりは、多少でも通じたほうがきっと海外での時間は楽しくなる。

バンドのライブを観ていたら、自分もその中に入りたくなったりしないか?(しないよ、という方には御免なさいと言っておく) ギターも弾けないし、ドラムも叩けない。でも、タンバリンなら叩けるぞ、よし参加だ。そして参加したら、今度はギターで演奏したくなるだろう。或はキーボードかもしれない。会話もそれと一緒だ。
少しずつ、やれる事を増やしていけばいいだけの話。別にこれは英会話や外国語習得だけの話じゃない。

ただ、一歩進めば、必ず踏み出した分だけ楽しくなる。それは間違いがない。