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Some Were Born To Sing The Blues

酒好き、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。50歳目前で札幌に引越し、ピアノを始めました。

同情するなら、金をくれ!

今日の仕事帰りに遭遇した、ちょっと考えさせられる出来事を書く。

駅前で東南アジア人女性が道行く人に声を掛けていた。大抵の人が彼女を無視して通り過ぎる。俺は、道に迷って尋ねてんのかなと思い、歩を緩めた。彼女が俺に声を掛け、何かカードのようなものを提示してきた。
「読んで下さい」
聴覚障害の人が自分の代わりに電話をして下さいというカードがあった事を思い出し(今はメールやラインのお蔭でそういったカードは廃れたのかな?)、その類かと思ってカードを読んだ。
カンボジアでは苦しんでいる子供たちがいます】という意味の内容が書かれていた。ああ、しまった。募金活動かよ。俺は嫌な気分になった。彼女はそれから手帳らしきものを開き、カンボジアの写真を俺に見せ始める。
俺は彼女にカードを返し、駅へ歩き始めた。

2013年にカンボジアに旅行した。アンコールワットも見た。カンボジアは良い国だ。好きな国だと言っても良い。旅行では良い思い出しかない。感謝の念ばかりだ。

だが、だ。それとこれとは話が違う。別にこれは「カンボジアの為に募金をお願いします」という点が嫌だという意味じゃない。
俺は目的が何であれ、募金活動自体が受け入れられない。その理由をこれから書く。この事は人によって受け止め方に差異があるだろう。何が正しくて、何が悪いという正解はないと思う。だから、これは飽くまでも俺がそう思うというだけである事をお断りしておく。

俺が募金活動を受け入れられない理由は二つある。
一つ目。
今日の彼女もそうだったが、彼女が集めた募金が、それを求めている人達のもとへきちんと届けられる保証がどこにもない。これは相当露悪的な捉え方だが、彼女達がある種の詐欺的なバイトでこれをしているかもしれない訳だ。例えば赤十字がやっている赤い羽根募金とかもそうだ。集めた金を裏(上?)の人間が懐に入れていない、という保証がどこにもない。
無論、その類の疑心暗鬼な事を言い出したら、募金なんて出来ない。善意の行い全否定になってしまう。そういったネガティヴな事を考えさせるような仕組み自体が嫌なのだ。

二つ目。
これは東日本大震災や先の熊本地震での募金活動もそうなのだが、こういった災害に対する募金活動は必ず発生する。俺はいつも疑問に思う。こういう時にテレビとかで募金活動を呼びかけるが、これって一般の市民に求めるものなのだろうか、という事だ。
何が言いたいかというと、こういった時こそまず政府(国と表現すべきか?)がその救済の為に予算を割くべきじゃないのか。
無論、そういった予算は組まれるだろう。だが、それは充分なのか? 
年度末になると、無意味に道路工事が行われてムダ金が消費される。地方の誰も使われない場所に贅沢な国道、県道が出来る。利用者のいない贅沢なだけの保養施設が作られる。毎年毎年ドブに捨てているような金があるなら、それを自然災害被害者に充てるべきじゃないのか、他の貧しい国への援助に使うべきじゃないのかと。
(日本がODAでかなりの金を使っている事は知っているけどさ)
道路や施設を作る予算を回す事によって、建築土木産業が潤う、なんて寝言は言わないでくれ。どこの世界に腹いっぱいなのにお代わりをする人間がいるのだ。俺はソフトウエア業界にいる人間だが、使いもしないコンピュータシステムに金を払ってくれるお客さんなんかどこにもいないのだ。

つまり、草の根市民が募金活動なんかしなくても、それを上回る金を国は用意出来るだろう、という事だ。その為の予算じゃないのか。どっかの都知事が書道する為の中国服購入が許されるのなら、それを募金に回せよ、ということよ。ちょっと話が逸れたか。

そして、こんな事を考えさせる(これは俺個人の問題な訳だが)から、俺はどうしても募金活動が生理的に受け入れられない。
別に賛同してくれ、なんていう気は毛頭ない。かなり偏った考え方だろうというのも自覚している。そんな事考え出したら、善意の行いなんて一切出来なくなる。

俺が財布の中にある千円札を一枚彼女に渡せば、それで済んだ話かもしれない。別に千円渡したからと言って、俺が晩飯を食えなくなる訳じゃない。生活に困窮する訳でもない。千円で話は終わる。だが、やはりそういう事じゃない。百円だったらいいのかと問われれば、そういう事でもない。
むしろ、物貰いの人だったら、俺は喜んで千円渡したかもしれない。いや、喜んで渡しはしないだろうけど。

俺は募金活動に遭遇する度に、いつもそういった苦々しい思いになる。

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