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Some Were Born To Sing The Blues

酒好き、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。50歳目前で札幌に引越し、ピアノを始めました。

唐揚げ定食がキッカケで俺はバンドを辞めた

夜になって腹が減り、ふと「鶏唐喰いたいなぁ」と思った。
そしたら、唐揚げ定食がきっかけでバンドを辞めた時の事を思い出したので、それを今日は書く。

もう10年以上前の話になる。とあるネットの掲示板で誰かが「バンドやりませんか」という募集をかけていた。そこは「バンドメンバー募集サイト」じゃない。同世代の人達が集まって、雑多な話題をやりとりするコミュニティサイトだった。だから音楽に興味のある奴もいれば、スポーツ好きもいたし、今でいう出会い系を求めていた人もいた。ようはごった煮だった訳だ。

ところが、なんの偶然か、ヴォーカル(男、女)、ギター、ベース、キーボード、ドラム、そしてギター(俺)とメンバーが一通り集まってしまった。普通は「ビートルズのカバーバンドやりませんか」、「ハードロックやりましょう」とか「オリジナルやりたし!」とかある程度のジャンルというか方向性がある。だが、このバンドにはそれが一切なかった。共通項は当時30代だったというだけ。
メンバーが名乗りを上げたのはいいが、本当に活動できるのかな、というのが俺の正直な気持ちだった。が、気付くとスタジオ入りの日程が決まり、場所は秋葉原となった。メンバーの音楽趣味がバラバラだったのと、ヴォーカルに女性がいた事から、練習初回は大塚愛の「さくらんぼ」とジュディ&マリーの曲をやる事になった。すげー選曲だな、それにしても。

待ち合わせ場所に行くと、女性ヴォーカルを除いて皆集まっていた。結構真面目である。こういったネットの集まりはどうしても、ドタキャンの可能性があるからな。仕方ない。男性ヴォーカルが大塚愛の「さくらんぼ」を歌って、練習は終わった。初回のリハとしては悪くなかった。女性ヴォーカルから、その後連絡等はなかった。俗に言うバックレという奴だ。ネットのメンバー募集ではよくある事なので珍しくも何ともない。

それから、メールやら掲示板を利用してバンドの選曲を決めていった。ヴォーカルが男オンリーになったのと、そのヴォーカルが邦楽以外はやりたくないとの事から、レパートリーはBOOWYやレッド・ウォリアーズとかになった。他にもあったと思うが忘れた。俺はあんまり邦楽ロックは趣味じゃないんだが、バンドでギターを弾いていれば楽しかったから、それはそれで良かった。

でバンド練習の時に、ベースが女友達を2人連れてきていた。なんでもバンドに興味があるのだという。いわゆる、グルーピーという奴だな。彼女たちはその後、スタジオ練習の度にやってきては見学し、練習後の打ち上げにも参加した。バンド・ファミリーだな。

そしてある時、ドラムからmixiをやってないのかと訊かれた。俺はやっていなかった。正直、興味なかったから。すると驚いた事に俺以外のバンドメンバー、およびグルーピーの2人もmixiをやっているのだという。当時はmixi全盛期だったような気がする。で、バンドの連絡とかにも便利だから、俺にもmixiに入会しろと言う。当時は今みたいに、スマホがなかった時代だ。LINEで一斉連絡とか出来なかったからね。じゃ、しょうがない入ろう。俺もmixiに入った。

mixiに入って驚いたのが、全員(メンバー&グルーピー)が日記をつけていた事だった。ヴォーカルが日記を書くと、コメント欄にギター、ベース、キーボード、ドラム、グルーピー1、グルーピー2が次々と書き込む。そして、ギターが日記を書くとヴォーカル、ベース、キーボード、ドラム、グルーピー1、グルーピー2が次々とコメントを書く。それが全員分繰り返されていた。このループがグルーピー2まで延々と続くのだ。

練習後の飲み会で、メンバーの誰かがmixiの日記の話題を始めた。俺は日記を殆ど読んでいなかったので話題についていけなかった。人気のTV番組を見逃して翌日の話題に乗り遅れた小学生のような気分になった。メンバーから「他のメンバーの日記も読むといいよ。で、日記書きなよ」と勧められた。勧めたと書いているが、実際は強要だな。

仕方ないので、毎日バンドメンバーの日記を読み、コメントを書く。それをバンドメンバー(&グルーピー)分やる。一つ一つは大したことないが、何しろ7人分の日記だ。それも興味が湧くような内容ならまだしも、ありきたりな日常生活を書いただけの日記だ。おまけにギターが書いたある事に対してベースがそれを日記に引用して書く、とかの完全な馴れ合い日記みたいな状況になってきていた。いや、バンド仲間内の日記だから、それでもいいんだろうけどさ。それに対していちいちコメントを書くのが辛くなってきた。みんなコメントを毎日毎日律儀に書いているのだ。コメントを残さない、というのが許されない空気になっていたのだ。

ある日、誰かが日記に「今日はランチに唐揚げ定食を食べた。美味かった」とだけ書いた。これになんとコメントすればいいんだよ。すると他の奴がコメントしていた。「僕はとんこつラーメン喰ったよ」
俺は絶望した。
無論、Web日記なのだから人を誹謗中傷しない限り、何を書いてもいいと思う。それは当人の自由だ。俺だって、こんな好き勝手なBlogを書いているんだし。だが、そのmixi日記の最大の問題は、読んでコメントを書かねばならないという「暗黙の了解」だった。
このバンドにいる限り、俺は「今日はランチに唐揚げ定食を食べた。美味かった」という2行だけの日記に何かを書かねばならないのだ。スルーという権利はないのだ。mixiは足跡とかいって、見たか見ないか判る仕組みになってたよね、確か。

馬鹿馬鹿しくなった。俺はギターの人に差しさわりのない理由を言ってバンドを抜けた。バンドには3ヶ月もいなかった。
そんなに多くのバンドを経験した訳じゃない、俺は。だが、唐揚げ定食が理由でバンドを抜けたのは後にも先にもこれだけだ。

 

最後に今夜のうちのベランダから見た夜景の画像を載せておく。無論、今日のBlogの内容とは一切関係がない。

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