Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

イケメンな姉さんに遭遇した話

イケメンな姉さんに遭遇したので、その話を今日は書くとする。

俺は平日の昼食は基本的に外食をしない。理由は以下の通りだ。
1)昼休みは1時間しかないので、混んでいるランチタイムに食事を摂るのに時間を取られたくない。
2)東京のランチは高い。大体安くても700円。高いと1,000円もする。
なので俺のランチはほぼ100%、職場近くのスーパーで買っておく安い100円のカップラーメンだ。これだとお湯を入れてから食べ終わるまでに10分とかからない。残りの時間を好きに使える。不健康とか言うなかれ。俺はここ8年程、風邪を殆ど引いていないのであるから。だから、カップラーメンばかり喰っていても人は病気になったりはしない(健康診断でも悪い数値は出ていない)。
食事が終わると、俺は職場のビルを出て、駅前の広場まで散歩する。デスクワークだから意図的に外に出るようにしないと、太陽を浴びることもないし、外の空気を吸う事も出来ない。

昨日の事だ。いつものように駅前の広場的な場所まで出向いた。そこはベンチがいくつか並んでいる。そしてその前には灰皿がある。喫煙者の人達が集まって煙草を吸っている姿が目に入る。

と、灰皿前のベンチに座っている一人の女性に目が行った。お、美人さんだなあ。かなり濃い顔立ちをしている。目鼻立ちがくっきりしている。いわゆるバタ臭い顔という奴だ。茶色に染めたらしき髪を肩の辺りまで伸ばしている。そして背が高い。座っている状態でもかなりの背の高さが見て取れた。170センチはあるな、間違いなく。ストーンウォッシュのブラックジーンズに黒のTシャツ、それに白のジャケットを羽織っていた。それもちゃんと袖を通さずにジャケットを肩に引っ掛けているだけの状態。昭和のチンピラか、君は?

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彼女は煙草を吸いながら、隣の同僚らしき女性とお喋りを楽しんでいた。彼女は上背もあったが、それプラス体格も良かった。いわゆるデブとかぽっちゃりという表現は当てはまらない。がっしりしていた。ガタイが良い、という表現がぴったりだった。俺は、モデル体型のようなすらっとした女性よりも、どちらかというとがっちりしている、或いはぽっちゃりの体型の女性のほうが好みである。
女優の深田恭子さんをほんの少しだけ痩せさせて、身長を170センチ前半にしたような体型、と言ったらイメージ出来るだろうか(無論、顔は全然違う。顔はSuperflyのヴォーカルの人を、もう少し美人にしたような感じ)。

で、だ。俺は衝撃を受けた。彼女はベンチに座っていたのだが、なんと足を大きく開いていたのだ。俗にいう、股を開いた状態で座っていた。いや、いくらジーンズ穿いているとはいえ、周りに人が多数いる公衆の中で、それをやるとは。この女性には羞恥心というものがないのだろうか?

だが、俺は一瞬でこの姉さんを好きになった。歳の頃は30代前半から半ばくらいだろうか。彼女が同僚と話しているが、声がでかい。こちらまで聞こえてくる。その豪快さも気に入った。
何というか、顔から体型から仕草(大股開き)まで、全てが俺の好みにドンピシャである。街を歩いていて、美人だなあとか、可愛いなあという女性と遭遇する事はたまにあるけど、ここまで俺の好みを具現化した女性に遭ったのは初めてかもしれない。長く生きていると、たまには良い事があるものだ。

この女性を不細工だ、という人はまずいないと思う。だが好みかどうかという観点で行くと、非常に好き嫌いが分かれるタイプじゃないだろうか。
その理由を以下に列記する。
1)顔がバタ臭い(ハーフかクォーターかも、と思わせる程度なのだ)。
2)背がでかい。
3)ガタイが良い。スリム体型を好む人だと、無理だろう。
4)ちょっとした行動が下品(声が大きい。人前で平気で股を開いている)。

彼女が煙草を吸い終わって歩き出すまでの数分間、俺は非常に幸せな時間を過ごせた。昼休みに駅前広場に来て良かったとしみじみ思った。

そして今日も俺はランチを10分で済ませると、急いで駅前広場に向かった。彼女がいるかもしれないと思ったからだ。なんという僥倖。彼女は今日もいた。今日は立って煙草を吸っていたので、大股開きはなかった(何を期待しているんだ、俺は)。珍しく幸運の女神が俺に微笑んでくれたのかも。

俺が10歳若かったら、彼女の恋人になりたいというのはともかく、酒飲み友達くらいにはなりたい、という野望を持ったかもしれない。だがもう俺は枯れた老人一歩手前のおっさんである。そんな分不相応な野望は持たない。
週に2回程度、昼休みに彼女を見る事が出来れば、俺はきっとささやかな幸せを感じて、生きていく事が出来るだろう、きっと。
疲れた中年サラリーマンは、みなこうやって小さな四葉のクローバーを心の支えにして、日々の辛さを耐えているのである。

こんな話を酒の席で若い女の子にしたら、「おっさん、きもーーーい!」と言われそうだな。ってゆーか、若い女の子と一緒に酒呑む機会なんか、俺ねーじゃん。まったく杞憂なのであった。