Some Were Born To Sing The Blues

Saxとジャズ、ピアノとブルース、ドラムとロックが好きなオッサンの日々の呟き

髪を切って蕎麦屋に行こう!

年が明け、新しい仕事が始まって2週間程経った。なかなかしんどい。今まで9年いた現場を離れ、新しい現場、新しい仕事のチームの人達。25年程やったサラリーマンを辞めて、フリーランサーへ。

これでストレスが溜まらない人がいたら、尊敬する。俺は無理。日々ストレスを溜め込んでいる。だが仕方ない。俺は働かねば喰っていけない。

「親の遺産で暮らしています」と言える立場の人間が羨ましい。

無論、前のエントリに書いたようにこういったストレスを忘れさせてくれるのがサックスだ。だが、それ以外にも日々、ささやかな幸せを見つける事によって、辛さは軽減され、なんとかやっていこうという気持ちになれる。

その一つがヘアカットだ。ようするに散髪。30代から40代前半は髪を肩まで伸ばしていたので、QBハウス(1,000円カット)専門だった。年に4回程、髪を2センチ程度切って、梳いて貰っていた。だが、40半ばになる頃から白髪が増え始め、いつまでもロン毛というのもどうか?と思うようになった。

そこで、思い切って、相方が通っている表参道の美容院に行って、ばっさり髪を切って貰った。「お前みたいなおっさんが表参道の美容院だと? 冗談は顔だけにしろ!」という声が聴こえてきそうだ。伊達にQBの7倍の値段を取ってはいない。相方担当の美容師さんはこちらの「思い切って短くして下さい。あとは任せます」というリクエストに応えてくれた。なんか20代の若者がするような洒落た髪型にしてくれた。これで顔がもう少しマトモだったらよかったのだが、髪型は変更出来ても、顔は変更出来ないからな(笑)

それなりのレベルの美容院に行って思ったのは「髪を切るというのは、物凄いエンタテイメントなんだな」という事だ。洒落た店内で散髪前後に、2回シャンプーして貰い、ゆったりとした空間で雑誌を見ながら髪を切って貰う。シャンプーの後は頭皮と肩のマッサージ。リクエストすれば飲み物も出てくる。これは物凄く贅沢な事なのだ。

無論、この散髪代には美容師の技術代も含まれている。が、それと同時に「このリラックスした時空間の提供代」も含まれているのだと思う。

そして散髪が終わると、その美容院のすぐ近くの蕎麦屋さんに行く。

ここで、肴を何品か頼み、日本酒か蕎麦焼酎を呑む。お気に入りの小説のページをめくりながら、一人でゆっくりと酒を呑む。何も考えず、酒の美味さを堪能しつつ、小説に没頭する。至福の時間だ。この時は、仕事のストレスから最も遠いところにいる。

俺に取って髪を切るという事は「髪を切ってすっきりして、そして蕎麦屋で酒を呑む」という意味である。ここ数年は、この散髪&蕎麦屋酒がセットだ。トータルで万札が1枚以上とぶが、毎月やってる事じゃない。2か月や3か月に1回程度の贅沢。その程度の贅沢が許されなかったら、何のために働いているのか判らないじゃないか。

そして俺は先週の休みにその「カット&蕎麦屋酒」を楽しんできた。良い時を過ごせた。

音楽も素晴らしいが、髪を切って蕎麦屋で酒を呑む事も同じくらい素晴らしい。音楽と違い、唯一の欠点は「カット&蕎麦屋酒」は毎日出来ない事だな。

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