Some Were Born To Sing The Blues

酒好き(2017年秋に断酒を宣言)、音楽好きな中年のおっさんの日々の呟き。趣味はテナーサックスとドラム。2016年冬に50歳目前で札幌に引越し、2017年春にピアノを始めました。

メキシコ旅行4 2015/07/03 旅行3日目 路線バスの旅

旅行3日目。さて、グアダラハラのメインの観光は昨日でほぼやってしまった。今日と明日もまだグアダラハラなのだが、どうするか?実は相方はメキシコに来る前から、マリアッチ発祥の地である「トラケパケ」に行きたいと言っていたのであった。グアダラハラからトラケパケまではタクシーで20分程度、市バスを使っても30分で行けると旅本には書いてあった。

ちなみにマリアッチとは以下の画像を参照して下さい(これは俺が撮影したのじゃなくて、ネットの拾い物)。

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一応、アマチュアミュージシャンの端くれである俺もそういった街なら行ってみたい。よし、行こうと昨日と同じような朝食を済ませ、ホテルを出る。

旅本には、トラケパケ行の市バスの停留所も記載されていたので、そこに向かう。おお、確かに人が沢山いてバスを待っている。本には「トラケパケ行」とバスのフロントに表示されている奴か「6**」というナンバー(数字忘れた)と書かれているどちらかで行けると書かれていた。

しかし、いかんせん異国の地メキシコで乗る路線バス。バスが来る度にバスの表示を凝視するが、なかなか判らない。ハードル高いなー。ちなみに日本と違ってバス亭に時刻表みたいなものは一切ない。相方が「あ、このバス、トラケパケ行だよ!」との言葉に慌てて乗り込む。ちなみにバスのフロントガラスには料金が明確に表示されているので、いくら払えば良いかで困る事はない。

俺達が乗り込んだのは「TUR」というエアコン付の路線バス。エアコン付だと料金は一人12ペソ(120円)、エアコン無しだと6ペソと料金が違う。というか、エアコンの無いバスがある事にびっくりだ。この辺りも日本の常識前提で考えていると、驚きの世界だね。

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バス自体は割と椅子のクッションもまともで「思ったより、断然快適じゃん!」と俺と相方は胸を撫で下ろす。イメージとしては、日本の観光用バスが近い。

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が、日本の路線バスとの大きな違いをここに記載しておこう。

まず、日本のように車内に次の停留所を示すような電光掲示板は一切ない。ドライバーも次の停留所をアナウンスする事もない。また日本の路線バスだと当たり前のようにある「降りますボタン」もない。「降りますボタン」はバス後方の降車口のところに一つあるだけ。

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だから降りたかったら、降りたい停留所付近になったら、降車口に立ってボタンを押すか、或いは停留所に着いて乗車口(バス前方)が開いたところで、降りるかしかない。

暫く乗っていてそれらの事に気付いた俺達は「しかし、これ難易度高いな。ちゃんと降りるとこ判ってないと、降りられないぞ」と。そしてまた「まあ、トラケパケが終点だから最後まで乗ってればいいから、楽だよね」とも。

この時点で俺達は大いなる勘違いをしていた。この路線バスの終点は「トラケパケ」ではないのである。俺達が勝手にそう思い込んでいただけなのだ。トラケパケまで路線バスで30分程度とあるが、40分近く走っても、全然トラケパケには着かない。というか、とっくの昔に通り過ぎていた。だが、俺達はトラケパケの街並みが判らないから、「結構遠いねー」と呑気な会話を繰り広げていた。

相方が「あれ、トナラって文字が見えたよ!」と街の景色を見て俺に言う。「え? トナラの訳ないじゃん」と俺。というのも、位置的にグアダラハラ⇒トラケパケ⇒トナラとなっているのだ(これは旅本の地図で確認済)。

俺は「トナラ方面て事じゃないか?」と呑気に勘違い発言をしていた。相方も地図に関しては俺に任せっきりなので、そーかーみたいに頷いていた。アホの日本人観光客2人組である(笑)

街がなんかそれらしくなってきた(なんかいかにも民芸品を沢山売っているっぽい景色)ので「そろそろかなー」と2人で言っていたら、乗客が俺達だけになり、そういった街並みも通り過ぎて、何もない田舎道を走り出した。この時点で俺達は「あれ? もしかしてやばくね?」となった。

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次の停留所で止まったところで、俺はドライバーのところに走り寄り「トラケパケ?」と質問調で訊きながらバスの後方を指差す。するとドライバーが「シー(YES)」と言いながら後ろを指差した。俺は相方を促し、慌てて降りる。ドライバーは「さっき過ぎた街がトラケパケだよ」という意味で言ったのではなく、「トラケパケはもうとっくに通り過ぎたよ」という意味で言っていたのだ(と思う)。

2人で来た道を戻りながら、「トラケパケって終点じゃなかったんだねー」と言いながらさっきの賑やかな街へと。この時点でまだ俺達はトナラまで来た事に気づいていなかった。呑気だねー。相方が「トラケパケ終点じゃないのなら、あのバスどこまで行くんだろうね。最後まで行ってみたかったなー」と恐ろしい発言をする。正直言ってここがメキシコじゃなくてアメリカならそれをやっても良かったが、スペイン語圏であるメキシコでそれをやる勇気は俺にはない。

街まで戻ったところで、俺達はここがトラケパケでなく、トナラである事を知る。

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トナラはトナラ焼きという民芸品が有名な街なのだ。相方は「私、トナラも来てみたかったから、全然問題ないよー」と。まあ、俺もそれは有りだな、と。

こういった予定にない結果になるのが、非パックツアーの恐ろしいところでもあり面白いところでもある。予期せぬアクシデントに遭遇出来るから、俺達は海外旅行でひたすら自由行動を取るのだろう。

トナラは街全体が「民芸品売り場」みたいなところで、歩き回ってお店の商品を眺めているだけでも充分に楽しい。こういった小物に興味ない俺ですら、ウィンドウショッピングを楽しめるのだから、女性はかなり堪能出来ると思う。

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相方は早速お気に入りの商品を見つけたようでとある店に入って行った。棚に可愛らしい(?)ドクロ人形とガラスケースに入った人形を見つけ、店員にスペイン語で「これ、いくら?」と訊いている。

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すげーなー。ありがとう、トイレどこ、お会計お願いします、しかスペイン語で言えない俺とは偉い違いだ。二つ合わせて800円くらいだったかな、思ったより安い。実際あとで他の街に行って気付いたが、この街はお安い街だった。相方も後になって、トナラでもっと買えばよかったなーと悔やんでいた。でもこういうのって比較したから、あっちが良かったんだねーって判るものだしね、仕方ないのだ。再訪する事が出来る訳じゃないし。

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次にまた別の店の小物が気に入ったらしく、店に入って店員とやり取りする相方。こういう場合、女性って強いよねー。全然物怖じする事ない。今度はカラフルな小さい鉢植えに心奪われた模様。1つ20ペソ、相方は5個も買っていた。まあ5個で千円だ。これもお買い得だ。しかし、瀬戸物持たされる俺は重くてかなわんが(笑)

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街をぶらぶら歩いていると蚤の市みたいなエリアに遭遇。時間もまだまだ早いし、慌てる必要なし。せっかくだから覗いていこう、と蚤の市を見て回る。やっぱり同じような商品を扱っている店(というか露店?)多し。

露店で、パナマ帽みたいな奴を売っていたので「いくら?」と相方に訊いて貰うと50ペソとの返事が! やすっ、500円か。よし買おうと思って試着してみたら、みんなサイズが小さい。というか俺の頭がデカすぎるのか。購入は断念した。が、結局グアタラハラで同じような帽子を90ペソで買ったので、ここで買ったほうが安かったか。まあ買い物は一期一会だからな、仕方ない(これは相方の受け売り)。

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小物を見ながら街を一周する。このトナラという街は小さくて急いで回れば1時間で回れる。のんびりゆっくり見ながらでも、2時間で端から端まで回れるだろう。逆にそういった小さい街のほうが、俺達みたいなノープラン観光客には向いている。実際、トナラは面白い民芸品を沢山売っていたし、街並みも楽しい。相方は満喫したようだ。

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 街を全て堪能し、ちょっと暑さで疲れたのでカフェで休憩。相方はお約束のレモネード、俺はコロナ。2つ合わせても60ペソ(600円)。メキシコはドリンクが安くてよいね。特にコロナが300円程度で飲めるのだから、ビール好きには天国だな。

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無論今朝も朝食を大量に食べたので、お腹は空いていない。時間はお昼の1時をを回ったくらい。さて、トナラは充分に遊びまくった。どうしようかと相談。

「なあ、グアダラハラに戻る路線バスに乗れば、途中でトラケパケで降りられるんじゃね?」と俺は相方に言う。相方が答える「朝、逆方向のバス見てたんだけど、600番台のバスに乗れば、グアダラハラに戻れるんじゃないかな、それに乗ればいいんだと思う」

と、ビールを飲み干した後は、路線バスに乗る事にしたのだが、その前にこのトナラの街はいかにもメキシコチックなので、撮った写真を何枚か載せておく。

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よし、ということで路線バス乗り場を探す。結構頻繁にバスが通る。が俺達が求めている600番台のバスがなかなか来ない。メキシコのバスは停留所にいても向こうは勝手に停まってくれない。こっちが手を上げないと駄目なのだ。日本の田舎の路線バスと同じ仕組みだ。

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600番台のバスが来た。そして乗り込む人多数。相方はバスに乗ろうとしているジモティのメキシコ人に「このバス、トラケパケ行く?」と訊いている。凄い、俺は全くの木偶の坊だ。その乗客が曖昧な返事をしたので、相方は今度は運転手に訊く。運転者が「シー(YES)」と。よし、と乗り込む俺達。

来た時は、トラケパケが何処か判らなかった。だから、行きと同じ過ちを繰り返す訳にはいかない。席に座ってから、俺は相方の読んでいたスペイン語入門書を開いて「****に着いたら教えて下さい」という例文を口の中で反復する。****をトラケパケに置き換えるのだ。2、3回練習して、さあ言おうと思った瞬間、隣に座っていた赤ちゃんを連れたメキシカンマザーに「どうかしましたか?」と英語で訊かれる。

おお、地獄に仏。助かったぜ。さっそく俺はトラケパケに行きたいんだけど、と言う。マザーは運転手のところに行き、何か話している。そして自分の席の前に座っていた男性にも話しかけて何か言っていた。彼女が戻ってから俺に説明してくれた。

「このバスはトラケパケには行かないです。ただし、トラケパケまで6ブロックのところを通るので、そこで降りるか、途中で614と書かれたバスに乗り換えるか、どちらかにしたほうが良いです」と。マザー優しい!

「6ブロックの所で降りるのと、乗り換えるの、どちらが良いですか?」と尋ねると「6ブロックの所で降りるほうが良いでしょう。私の前に座っている男性がそこで降りるので、彼が降りる時、一緒に降りて下さい」と。マザー、滅茶苦茶親切である。

マザーは途中で降りて行った。俺達は「グラシアス、グラシアス」と何度も礼を言う。次に生まれ変わったら、俺はメキシコ人と結婚するぜ!

そしてバスが暫く走っていると前方に「トラケパケ」の案内図が。おっ、と色めき立つ俺達。が、その男性はまだ降りない。そしてバスは左折。あれ? 俺達のトラケパケが遠くなる。相方が言う。「あの男、ほんとに降りるのかな? やばくない。降りたほうがいいんじゃ…」

ということで、バスが左折して最初の停留所で俺達も降りる。無論、男性は降りない。

「ねえ、あの女性が男に話しかけてくれたんだから、もし本当に彼が6ブロックの所で降りるなら、私達に『まだだよ』とか言ってくれるはずじゃない? 何にも言わないって事はあの男、きっと女性に適当な事言ったんだよ」と男性悪者である。実際に男性が6ブロックの所で降りる人だったのか、それともアジア人ごときに親切にしてたまるか、と意地悪されたのか、俺達には真実は判らない。

とりあえず、トラケパケの案内図のあった方角に向かって歩く。しかし、何にもないところで降りたせいか、やたらと車は通るが、何も次の案内図に遭遇しない。15分程歩いて、大丈夫かな、これという気分に2人ともなっていた。

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「これは訊いたほうがいいな」という事でスペイン語入門書片手に相方がメキシカンファミリーの軍団に訊く。するとお父さんらしき人が「どうやっていくんだ?」という意味の事を訊いてきた。スペイン語判らない俺だが、これは何故か意味が判った。相方が歩きでとボディランゲージ。するとお父さん、物凄く驚く。彼が教えてくれた。「4ブロック真っ直ぐ行け。そしてその後左折して2ブロックだ」

また礼を言って歩き出す俺達。しかし1ブロックが滅茶苦茶長い。10分くらい歩く計算だ。なぜか遭遇したサボテン。写真を撮る。

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「なあ、これ徒歩じゃ無理じゃね。また路線バス乗ろうよ。さっきの女性(最初の親切な英語を話せるマザー)が614乗れって言ってたじゃん。614に乗ればいいんじゃないかな」

が、なかなか614番が来ない。616番とかなら来る。相方は半身をバスに乗り入れ、運転手に「トラケパケ行く?」と尋ねている。「行く」との返事を貰ったので乗り込む。本日、行きを含めて3回目の路線バスの旅だ。

座って、しかしこのバスで行けるのかなーと心配になっていると、俺達の斜め前に座っていた50代くらいのお父さんが「トラケパケのダウンタウンに行くのか?」と英語で話しかけてくれた。お、またもや救いの神。俺達運がいい。そうだと言うと、お父さん「ワシもダウンタウンに用事がある。ワシと一緒に降りなさい」と。

暫くして、お父さんが俺達を見ながら「降りるよ」というポーズ。降りると、お父さん、5、6人を引き連れて歩き出す。俺達もお礼を言って彼らの後に続く。するとお父さん軍団、地下鉄の入口まで降りていく。あれ? もしかしてここまだトラケパケじゃねーのかな。おまけに俺は昼飲んだビールのせいでトイレに行きたくなってきた。ここで地下鉄に乗ると尿意が臨界点超えるかも。

ということで、ここでお父さんとはお別れし、トイレを探す。が、この街はカフェがさっぱりない。仕方ないので見つけた雑貨屋みたいなとこで水を買ってトイレを借りる。本当に思うけれども、日本ほどトイレが充実している国は他にないと思う。俺みたいにトイレが近い人間は海外に行くべきじゃない(笑)

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もう一度地下鉄の入口まで降りて、中にいる駅員や一般の女性に「ここはトラケパケか?」と訊くが(訊いてるのは相方だ。俺はスペイン語に関しては完全なポンコツ)、相手の返答がさっぱり判らない。相方も苦笑するのみ。俺達はもう「これは俺達がトラケパケに行くのを阻止する何か邪悪な力が働ているに違いない」と諦めモードに。

しかし、そもそも俺達がいるこの街がどこかすらも判らない。旅本はメジャーな観光地しか地図がない。こんな名もなき街の地図など当然ない。俺達は途方にくれた。そもそも、この街が俺達が戻るべきグアダラハラからどのくらい距離が離れているのかすらも判らない。

先程降りたバス停留所辺りまで戻り、どうしようかと途方に暮れていると、相方が「あっ! あのバス行先に『オスピシオ・カバーニャス』って表示してるよ」と。そこは昨日俺達が最初に観た世界遺産だ。そこまで行ければ、あとは徒歩で戻れる。またもや救いの神だ。ということで、本日4回目の路線バスに乗り込む。

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朝乗ったエアコン付のバスじゃなくて、エアコン無しの「これぞ、メキシコのバス!」と言った感じのチープなバスに乗り込む。座席もプラスチックで尻が痛くなる。バスは延々と走る。どんどん景色が寂しくなっていく。なんか、おかしくねえか?と思う俺達。

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お、やっと栄えてきた、と思った瞬間、客が全員降りた。運転手が何か言う。あれ? もしかして終点か。相方が運転手に「オスピシオ・カバーニャス?」と訊くと運転手が反対側の道路に停まっているバスを指差す。そうか、俺達はまたまた間違えたのだ。このバスは「オスピシオ・カバーニャス行き」ではなくて、「オスピシオ・カバーニャス経由」のバスだったのだ。

2人で本日5回目のバスに乗り込みながら「そっかー、さっきのバスと逆方向に行くオスピシオ・カバーニャスに乗れば良かったんだねー」と。バスは先ほど俺達が見てきた田舎町を元に戻る。やれやれ、これでやっと帰れる。相方も安心して「帰れるねー。この田舎町の景色を楽しもう!」と。

かなりバスが走って、雰囲気がだいぶ都会チックになってきた。お、グアダラハラだな。しかし、オスピシオ・カバーニャスはまだ見えない。と、なんか見た事あるような教会っぽい建物の突起が。

「あ、あれじゃないかな! 降りよう」と相方。降りる俺達。が、そこは全然オスピシオ・カバーニャスではなかった。グアダラハラは似たような教会が多数あるのだ。また全然知らない街で降りてしまった。2人で歩くが全然見知った場所に出ない。俺はちょっと(かなり)イライラしてきて「ここ、完璧に間違えてんじゃん」と相方に怒りを吐き出す。相方も無言。正直言って、メキシコ旅行中、俺と相方の空気が唯一悪くなったのがこの瞬間だった。

暫く歩いたが、全然埒が明かない。相方が「また614来たら乗ろうか」と提案。そうだなと納得する俺。614番のバスが来たので乗り込む。本日6回目の路線バス。何度俺達はバスに乗ればホーム(ホテル)に帰れるのか?

バスが走り出すが、さっきまでの都会チックな雰囲気がまた田舎の雰囲気に逆戻りする。後で判った事だが、バスはオスピシオ・カバーニャスの裏側(の通り)を走って、既にもう走り抜けていたのだ。俺達は正面からしか見ていないから、それが判らなかった。これも致し方ない。何しろ一昨日、昨日歩いただけの街なんだからな。景色がどんどん田舎町に変貌していく。

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「やばくないか?」「うん、なんかまずい気がする」「降りよう」と俺達はまた降りた。見知らぬメキシコの住宅街に取り残される2人のアジア人。ここがアメリカなら、なんの心配もない。がここは言葉も碌に通じないメキシコだ。この時点で俺達のライフポイントはゼロになった。下の写真はバス下車直前にバス内から撮った。

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「大通りまで出て、タクシーで帰ろう」俺は提案した。俺達にはもう行先不明の路線バスに乗る気力は残っていなかった。

大通りに出てタクシーを捕まえる。相方がホテルの名前と住所の書かれたメモ用紙を見せ(なぜかこの日の朝、相方はホテルにあるメモ用紙を旅本に挟んでいた。相方のファインプレーだ)「ここまで行って。いくら?」と訊いてくれた。

「80ペソだって」「高いなー」と俺達がドライバーに背を向け相談していると後ろから声が。「70でいいって」「よし、行こう」

そしてタクシーが走り始めて15分程度で、昨日俺達が見たリベルタ市場が見えてきた。安堵した。ホテルに到着し、部屋に入ってベッドに倒れこむ2人。さすがに心が折れた。暫く2人ともダウンしていた。

時間は夜の7時くらいだった。まだまだ陽も高いし、時間もある。だが、今日の路線バスの旅はあまりにもハード過ぎた。心身ともに疲れていた。

「またメキシコ料理をメニューみて格闘するの、疲れたな」と相方が珍しく愚痴る。なのでホテル近くのファーストフードちっくなレストランに入る。こういう店だとスペイン語でもメニューが判りやすいのだ。

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相方はハンバーガー、俺はパスタ、アラビアータ。味は特筆すべきものは何もなし。パスタは味が濃くて不味かった。今回の旅行の食事で唯一失敗したのが、この日のディナーだった。

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下の画像は相方が注文したスムージー。何故かグラスの縁にペッパーがまぶしてある。不思議な飲み物だ。相方はナプキンでペッパーを拭いていた。

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食事を終えてまたホテルに戻った。まだ時間は早い。いつもだったら、相方は絶対に遊びに行こうという時間なのだが、昼の路線バス6連発で心が折れたせいか2人してベッドで仮眠。

9時過ぎて相方がシャワーを浴び、俺もシャワー。2人してすっきりしたが、ちょっと出掛ける感じじゃなくなっていた。俺はセブンイレブンに行ってビールを買ってきてそれを飲む。相方は何を言っているか意味不明なTVを見てぼんやり、と。

この日、前半はトナラの街と買い物で楽しんだが、後半は路線バスに振りまわされてヘロヘロになった。

天国と地獄を1日で味わった。あの見知らぬ街でバスを降りた時の絶望感も、あの時は苦しかったが、今となっては良い思い出だ。負け惜しみじゃないぞ(笑)